夢と未来と仕事
私は、以前も書いた通り、両親が「上へ上へ、もっと、もっと」の人たちだったのと、両親からの社会的な知識の移譲はうけられず、職業についてなにも家庭から学ぶことができなかったと言ってもよい。
商店街で育ったので、商店街の仕組みなら熟知している。
両親はそんなに働いて、幸せはなにかとか考える暇もないくらい、働いていた。
それが商店街で生き抜く最善の方法だとも、今の私には理解できる。
が、小学生の私は理解できなかった。
私をカギっ子にして、1年中働くってなんでだろう。夏休みの40日、ずーっと1人で過ごすってどんなんかわかるか?って、母に憎しみの感情さえ抱いていた。
「優秀なお前は、将来何になりたいか?」と両親や商店街の店主達が質問するのは常時で、その都度、子どもながらに「医者」「薬剤師」「獣医」「歯医者」「看護婦」「弁護士」とか小学生が思いつく限り資格のついた職業を答えていた。
そうすると、
「看護婦はやめとけ、どうせなるなら医者にせよ」
「歯医者は多すぎる」だとか「弁護士はなるまでに時間がかかる」
「でも持つべきものは資格なのだから、資格が必要で、女はなおのこと資格がだな・・・」
云々と、商店街のおやじたちは言いたい放題の職業イメージを諭したもんだった。
そんな私は、商店街の店主たちに刷り込まれた通り、進学し、資格をとるわけだが、そこに燃え滾る情熱はあまりなく、一番欲しかったのは母の愛情だったのではないかと気がついた。
今ココ、わたし。
で、自分の子どもの側にいる暮らし方を選んだ。ありがたいことに、ギリギリの生活だけど、その選択を許してくれる夫もいた。
そうすることで、仕事に明け暮れる両親の側で、1人寂しかった子ども時代の自分自身を癒そうとしているのではないかと感じている。
自分の心と向き合う時間。
もしかして心が癒えれば、仕事に戻りたい欲求が復活するのではないかとさえ、思ったりする。
ところで今年は、「10年後には7割の仕事がなくなる」という研究予想の話を、方々で耳にした。中学校の説明会でも聞いたし、小学校の入学式でも校長が言った。
それが本当なら、どんな将来像を子どもに想像させようか。
7割は未知ゾーンってことになる。
自己肯定感と満ちあふれた愛情を受けた強くてしなやかな心があれば、サバイバルできるかな。
ちなみに夫は、「将来なんて誰にもわかるわけがない。木の葉のように、風になびき、導かれるまま、神のご意志に従う」ことを子どもたちに絶賛推奨中。
私とはまるきり次元が違います(๑°⌓°๑)